Bahman 1399

 イラン暦1399年バフマン月10日

 東京にも雪が降りました。ふわふわと降る雪は故郷の冬を思い出させるようで見ているとしんみりとしました。同郷の詩人、室生犀星の詩に「ふるさとは 遠きにありて 思ふもの」で始まるものがありますが、私は一般的に知られているのとは別の解釈をしています。懐かしく思うなんて生易しいものじゃない、遠いからこそ安心して思い出せる記憶もあるのではないでしょうか。

 

食べたもの/作ったもの

 いよいよ外食も控えるようになり、用事で出掛けた先でテイクアウトすることが多くなった。こんな機会ではあるけど、また地元の、あるいは別の地方のお取り寄せを利用したいと思う。

 

・伊勢廣の焼鳥丼

 私は京橋の本店が好き。少し前に、目の前の土地に移築してきれいに新しく生まれ変わっていた。以前の歴史を感じる店舗も好きだったけど、新しくなってもどことなく雰囲気を引き継いでいるようだった。少しずつ色々なものを、が大好きなので焼鳥丼も大好物。

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・Fatican Paninoのサラミパニーニ

 合羽橋へ鍋を見に行った帰りに散歩がてら東上野のROUTE BOOKSに立ち寄り。とても天気が良い日で人の少ない道を選びながら散歩するのは気持ちよかった。着いた先でもグリーンがたくさんのお店に癒された。夕食にとパニーニを持ち帰り。粉の味をしっかり感じるパンにサラミとリコッタチーズ、ルッコラが挟まっていて、リベイクするととてもおいしかった。

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・名もなき釜飯

 池袋のISPにたまに現れる釜飯屋さんがあって、峠の釜飯よりも好みの味で気に入っている。名前も分からない釜飯屋。催事情報が得られないので池袋に寄るたびに来ていないかチェックしている。この日は夫が池袋へ行った帰りに見つけて買ってきてくれた。蟹に海老、鶏肉、卵、椎茸、人参、栗、油揚げ、かまぼこ、三つ葉と具の種類が色々。やっぱり色々食べられるのがうれしい。

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 ここからは甘いもの編。

・HIGUMA Doughnutsのドーナツ

 東京ではここのドーナツ、京都ではひつじドーナツが好き。どちらも店名に動物が入ってる。柔らかくてぺろりと食べられる。この日はシナモンシュガーにレモンチェッロを。

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・DelReYのショコラ

 前を通った時に夫がおもむろにお店へ入り買ってくれた。甘やかされている。ボンボンショコラをいくつかとオランジェット。大事にちびちびと食べた。ホワイトデーも毎年ここのショコラを贈ってくれる。

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・ピスタチオとレモンのカントゥッチ

 前に作ったのはアーモンドとオレンジだったので今回はピスタチオで。低温での二度焼きが終わるのが待ち遠しかった。自分で作るとなんでこんなにおいしいんだろう。

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・レモンソーダ

 お気に入りのカフェで夫がいつも頼むレモンソーダを再現してみた。ほんの少しだけ加えるアマレットが隠し味らしい。この日は使った炭酸水が弱かったので強炭酸でリベンジしたい。アマレットは杏仁の香りがたまらないですよね。

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買ったもの

・黒と白のお洋服

 デニムもジャケットも似合わない。多分体型のせいだと思う。似合うものは貴重なので慎重に検討しつつも買った。普段似た格好ばかりしているので着こなしも何もないのだけど、春先には薄いピンクのブラウスを合わせたいな。白のフーディーは夫が見つけて勧めてくれたので衝動買い。前々から白色のパーカやスウェットを買いなよと言われていたこともあり。第三者の意見も大事ですよね。あとはプチバトータートルネックを。

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ペイズリー柄のスカーフ

 スカーフって持ってなかったのだけど、大学の恩師がよく白いブラウスにスカーフを巻いていて、その姿に憧れていたので挑戦してみたかったアイテム。まずは高くないものからと思ってセカンドハンドのものを購入。くすんだトープカラーが好み。

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観たもの/読んだもの/聴いたもの

・NHK特集 シルクロード 第2部 (5) 炎熱・イラン南道

 1980年代に放送されたシリーズで、この回は「イラン、アフガニスタン国境にまたがるシスタン地方から、イラン西南部に位置する古代ペルシャ帝国の都ペルセポリスに至る全長1200キロのイラン南道をたどる。」というもの。

 留学中にイラン国内の色々な州を旅したけど、スィースターン・バローチェスターン州は治安が不安定で訪れられなかった州の一つ。2003年の地震で倒壊する前のバムの遺跡も映されておりそれはそれは壮大だった。ペルセポリスは二度訪れたけどまた行きたいなぁ。夫を連れて行くまでは死ねないと思っている。

www2.nhk.or.jp

 

ジュンパ・ラヒリ『べつの言葉で』

 ずっと気になっていたラヒリのエッセイ集。読みながら、自分はペルシア語をどうやって学び、今も習得しようとしているのか考えた。言語を習得するには自分と言語の間にも、自分と他人との間にも壁が立ちはだかるし、苦しみを覚えることも多い。それでもその言語に感じる愛着は自分にとってかけがえのないものである。この愛着はなんだろうかと考える。ラヒリ自身の経験にたくさん頷くと同時に自問のきっかけにもなる本だった。読み終えた後、イタリアにいる友人へポストカードを送った。彼はヒンディー語ベンガル語も解すから、なんとなくラヒリと繋がって恋しくなったのだ。彼女の小説も読んでみようと思う。

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内田樹、難波江和英『現代思想のパフォーマンス』

 他の本やWikipediaを見れば思想の概説は知れるけど、じゃあ実際それをどうやって使うのかという疑問に答えてくれる本。実践編の前に解説編も付いているから概説を知らなくても大丈夫。これまで勉強をさぼっていた分野なので苦しみながらも読み終えた。取り上げられているのが六人なので他の思想家についてもその思想をツールとしてどう扱うか知りたいなあ。

 

・Auburn Lull "Alone I Admire"

 Twitterで見かけたバンド。どこか宗教音楽的も感じる曲にハマってしまった。

youtu.be

 

・Zoviet France "Russian Heterodoxical Songs"

 ドイツのレコードショップから買ったら届くのにひと月かかった。静かな曲が多くて冬や雪解けの頃に似合いそうなLP。ジャケットも良いんだよな。

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 緊急事態宣言の解除有無によらず二月はなるべく家で過ごそうと夫と決めました。料理やお菓子を作ったりして過ごそうかな。鉢植えの植え替えもしなくちゃいけないし、ついでにベランダの掃除もしたい。浴室の交換工事も終わったのでゆっくりお風呂に浸かるのもいいな。家でのんびりすることは自分をケアすることに繋がりそう。短い月だからこそ気忙しくしないよう意識したいです。

 

  ری‌را... صدا می آید امشب
  از پشت کاج، که بند آب
  برق سیاهتابش، تصویری از خراب
  در چشم می کشاند
  گویا کسی است که می‌خواند
  نیما یوشیج، ری‌را

リーラー・・・声が聴こえる 今夜は
堰堤が 黒光りする閃光で 破滅の像を
瞳の中に描く、森の向こうから
まるでだれかが歌っているかのようだ
ニーマー・ユシージ「リーラー」