Bahman 1400

 イラン暦1400年バフマン月10日

 

地元で雪を踏みしめて、東京で雪の降る街を見下ろした一月。雪を踏んだときの「ギュッギュッ」という音が大好きです。

f:id:meigu:20220130190711j:plain

 

雪の白さ、重なる緑の数、変わりゆく青と灰

海沿いにある実家に年末帰ると見る景色。

晦日に一人で海へ向かい浜辺を散歩するのをひとつの楽しみにしている。心を清めるではないけれど、一年分の不安や悶々とした思いを絡まった網から解き放って洗い流すような、そんな感覚がある。夏こそ人出の多いビーチも、さすがに冬はほとんど人がいない。見渡す限り誰もいない年もあった。手ぶらの女が一人、海へ向かってずんずんと歩を進める様は周りから見ると異様なのではないか、入水すると思われて通報されたらどうしようと一瞬頭をかすめる気の小さい自分が情けない。たまに「海が呼んでいる」とふと思うことがある。プラスだとかマイナスだとかでは言い表せない感覚だ。そういえば、生まれたのは海を見下ろす病院だった。

在宅で仕事をするようになってから、もしかすると会社員のまま住む場所に囚われず働ける日も近いのではないかと考えるようになった。そこで候補にと思っているのがまさに地元で。昔は二度と戻ってくるのはまっぴらだと思っていたのに、数行にはまとめられない感情や環境の変化があり、地元を捉え直すようになった。まあそれはよくて、だから最近地元へ移り住んだ時の暮らしを想像している。朝に海や遊歩道林を散歩する、家で働いてゆっくりと食事をとる、週末は大きいけれど有名でもない公園の原っぱで転がる、別の時には兼六園のそばの喫茶店で朝食をとってから兼六園を散策する、連休には能登方面にドライブする、そんな暮らしが夫と出来たらどんなに良いだろうか。そんなすぐには叶わないのだろうけど。

f:id:meigu:20220130191245j:plain

f:id:meigu:20220130191309j:plain

f:id:meigu:20220130191326j:plain

f:id:meigu:20220130191343j:plain

f:id:meigu:20220130191407j:plain

f:id:meigu:20220130191427j:plain

 

食べたもの

・水道橋でイランの味

先月に続いてムンド不二へ。先月食べられなかったイラン料理、ゴルメ・サブズィーがありそうですよとのタレコミをもらって(ありがとうございます)。急な誘いに乗ってくれた大好きなお姉さんと(本当にありがとうございました)。ここだけの話、日本にあるイラン料理店はあまりハマらないんですよね。おばあちゃんの家庭の味で育てられた舌なので。この日食べたゴルメは日本で食べた中で一番家庭料理に近い味で本当においしかった。バスマティがあったら多分泣いていたと思う。そしてすぐに大好きな友人に会えたことがうれしくてまたたくさん喋ってしまった。これからも攻めた味を攻めに行きましょうね。

f:id:meigu:20220130194820j:plain

f:id:meigu:20220130194842j:plain

 

小竹向原 まちのパーラーでベストブランチ

あたたかくなったらテイクアウトして公園で食べたいね、それをやるために車買いたいねと並んでいる間に話していた。好きな時間の過ごし方が夫婦で似ているのが喜ばしい。

f:id:meigu:20220130195435j:plain

 

買って帰ったパンとパウンドケーキが仕事前の朝にも花を添えてくれて助かった。

f:id:meigu:20220130200152j:plain

f:id:meigu:20220130200215j:plain

 

ツマガリ クッキー詰め合わせ

実は年末に24時間未満の滞在で大阪に行ってましてね。唯一出来たことと言えば(というか最優先にしたことが)ツマガリのクッキーを買いに行くことだった。大学の共同研究室に先生からのお裾分けでたまに置かれていたクッキーがおいしくておいしくて、いつか自分で箱買いするぞと思っていたのが叶った。西のツマガリ、東のウエスト。

f:id:meigu:20220130200301j:plain

f:id:meigu:20220130200321j:plain

f:id:meigu:20220130200350j:plain

袋もかわいい…。

 

シチリアの郷土菓子  レジネッリ

胡麻の風味が香ばしいシチリアの郷土菓子。富士見ヶ丘にあったパスティッチェリアが出張販売するというので、寒空の中、月島まで買いに出かけた。まさに今日の出来事。午後そんなに遅くない時間に行ったけれどこのお菓子以外は売り切れていて、残念ながらも一番食べたかったレジネッリが買えたので満足。イタリアに行った時に友人が作ったものも食べたことがあったので、本当にうれしい。こういう時に写真を送ると「イタリアにいるよりも東京の方がイタリアの色んな州の料理・お菓子にアクセス出来るね」と返ってくる。確かにね。逞しく欲望深い街、東京だ。

f:id:meigu:20220130201058j:plain

 

・お茶いろいろ

帰省のお土産で買ったほうじ茶、玄米茶、ハーブティー

丸八製茶場のテトラ缶は三つ目。見た目もかわいいし味もおいしいので国外のお土産にもよく買ってる。季節のほうじ茶もたまたま買えてラッキーだった。棒茶よりもフルーティーな味です。

ぺザンのハーブティーは初めて存在を知って買ったのだけど、グルジアで買ったハーブティー以来の感動があった。香りがすごくすごく良い。飲み切ってしまったラベンダーの茎で作った棒茶はあまりにもホリスティックな香りがして恍惚の境地。写真のはラベンダー、ミント、マロウで色もきれい。ハーブ園のイメージしかなかったけど、最近は商品化や農福(農業・福祉)連携に力を入れているらしい。

ちなみに丸八製茶場は以前ぺザンと一緒にアレンジティーのレシピを紹介していた。ちゃんとおいしくて、誇らしく思える企業やお店が少なくないのも地元に帰りたい理由の一つかもしれない。

f:id:meigu:20220130201903j:plain

www.kagaboucha.co.jp

paysan.co.jp

 

こちらはクリスマスに夫が贈ってくれたHARNEY&SONSのお茶。交際を始めた年から毎年、アールグレイ・インペリアルを定番に、節目節目にここのお茶缶を贈ってくれる。パッケージが色鮮やかなだけじゃなく味も好みで、いつも贈られる前から楽しみにしている。ホワイトクリスマスは初めての味。大好きなカルダモンがティーバッグ毎に一粒入っていて贅沢な香りで、上のまちのパーラーの胡桃と無花果のパウンドケーキにもよく合った。

f:id:meigu:20220130202001j:plain

 

・いつもの地下で

写真を見返したら先月と同じカップソーサーだった。色と柄がたいへん好みです。

f:id:meigu:20220130204240j:plain

 

 

年始のお留守番や半年ぶりの通院が相当嫌だったのか(ごめんね)、今月はずっとくっつき虫だったぺっちゃん。そばにいてくれるだけでありがとうと毎日思っているよ。

f:id:meigu:20220130210120j:plain

 

 

 

f:id:meigu:20220130210249j:plain

正月の休みぼけというより、気が抜けたのか、大勢いる実家から静かな自宅に戻った反動なのか、今月はずっとぼんやりしてしまっていた。休日に出かけたり、人と会ったり、何かしら活動していたのだけど、体力が足りないし眠くて眠くて重たい身体を引きずっている感じがしていた。し、今もしている。その影響か読書や音楽にも集中できずペルシア語のレッスンもスキップしてしまった。季節性の落ち込みも関係しているんだろうなと頭では分かっても、気持ちはすぐにはついてこないですね。得るものがないまま同じ場所で足踏みしているようで歯痒いけれど、過ぎて行く日をぼんやりと見つめるしか出来ない。目を瞑って揺れ動く波に想像をめぐらす。