Ordibehesht 1400

 イラン暦1400年オルディーベヘシュト月10日

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  先の3月で母が定年退職した。最後の10年は心身ともに鞭を打ちながら働いていたのを知っていたので退職後はゆっくりして欲しいなと思いつつ、もしかすると気が抜けて一気に体調を崩してしまうのではないかと心配していたけれど、こんな状況でも毎日を有意義に過ごしているよう。一日でも早く家族集まって退職を祝える日が来るといいな。

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 4月は住んでいるマンションの敷地や出先で大好きな射干の花が見られてうれしかった。薄い紫と濃い紫、黄、白のコントラスト。

 

海を見に行った日

泉鏡花と逗子・葉山

 一番好きな作家はと訊かれたら迷うことなく泉鏡花と答えます。同郷だからという理由で短篇集を読んでみたらとにかくはまってしまった。作品のモチーフもさることながらその美しい文体に惹かれ続けている。鏡花の作品の中でも特に好きなのが『春昼・春昼後刻』で、上京してから舞台となった逗子を何度か訪ねている。

  今年も緊急事態宣言が出ていなかったこともあり夫と遠足気分で出かけてきた。

  作品の舞台となる岩殿寺。主人公である散策士が寺の住職から不思議で不気味な恋の話を聞かされる場所。車通りが多い道路から一本小道へ入り進んでいくと、門の向こうに観音堂へと続く石段が見えてくる。

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歳をとってもこの長い石段を登りつづけたいな。

 石段を登りきるとすっと開けた境内。木陰で涼しくメジロやウグイスの鳴き声が聴こえて気持ちよい。観音堂の扉や柱に貼られたお札や鏡花が寄贈した池を眺める。

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 他に参拝者はいなかったのでマスクを外して裏に続く散策道も少し歩く。作品中で描かれる景色と重ね合わせて想像してみたりする。昔はもっと静かで夜は月の明かりくらいしかなかったのだろうか。恋を煩わせた男はどんな心情でこの道を歩いたのだろうか。

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  お寺を後にして海へ。舞台となる鳴鶴ヶ岬は現在は埋め立てられ砂浜がなくなっているらしいのでいつも別の海岸へ行くのですが、今回は人の少なそうな長者ヶ崎へ。

 この辺りは「草迷宮」の舞台となった場所でもある。「三浦の大崩壊(おおくずれ)を、魔所だと云う。」はそこからの一節。

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 先月のブログにも書いたけど、わたしが春のあたたかな陽気にさらされて感じる不安や焦りみたいなものは、『春昼・春昼後刻』で女が話す胸のざわつきにほとんどぴたりと一致する。読んで安心したり心落ち着くわけではない、むしろより不安に掻き立てられるのだけどどうしてもこの時期になると読んでしまう、そんな作品を追いかけた小旅行でした。

食べたもの(主に甘いもの)

板橋区大山マテリエル アールグレイのケーキとジャム

 大山といえばレストラン オオタニですが、商店街から外れてひっそりとした場所にあるこちらのケーキもおいしい。今までムースって苦手だったのだけどここのはどれもおいしく食べられる。東京はどこへ行ってもおいしいケーキ屋さんがあるからすごいなと単純に感動してしまう。初めて買ったジャムもおいしかった。フランボワーズは赤ワイン入りで大人の味。

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・ルポ・バイ・パティスリー・イーズ ブルーベリーのタルト

 またまたeaseのケーキ。次は焼き菓子も買ってみたいなぁ。

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・ヴィロン タルトシトロン

 夫と有楽町で買い物をした後に久しぶりに丸の内のヴィロンでお茶を。夕方だったけどまだぎりぎり外にいられるくらいの涼しさだったのでテラス席が気持ちよかった。細かいことですが、ここは蒸らし終わった茶葉を濾してからティーポットに入れ直して提供してくれるのがうれしい。濃くなった紅茶が苦手なので。タルトシトロンが大好物なのだけどどこがおいしいのかあまり詳しくないのでタルトシトロン情報を求む。

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・青山 鳥政 ランチの焼き鳥丼

 余っていた有給を使って平日に夫と表参道へ。平日にしか食べられない鳥政のランチが食べたいという夫の希望で。ラーメンも食べてみたいのだけど器からしてすごく大きいんだよね。焼き鳥丼だけで腹12分目になっているわたしには厳しそうだ。この翌日は上のヴィロンの前に銀座の三州屋で定食を食べて、二日続けて夫好みの食事をした週でした。

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買ったもの

・黒と白のシューズ

 二足ともALUMNAEのもの。ちょうど自分のサイズがデッドストックになっていたので買っちゃった。相変わらずヒールは好きじゃないのでフラットシューズばかり増える。黒のロープサンダルは元値の5分の1くらいで叩き売られてたけど今年がんがん使えそうじゃないですか。

あとはCOSで薄手の黒色の半袖ニットを。6月に夫の誕生日があるのでその時に着ようかなと思って。

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ぺっちゃん2歳の誕生日

 4月29日はぺっちゃんの誕生日でした(実際は生後2ヶ月くらいのときに保護されているので正確な誕生日は分からず、わたしたちで勝手に決めたのだけど)。もう他の猫も動物も飼えないよなぁと思うほど愛情を注ぎまくっている。特に病気や怪我もせずのんびりと過ごしている様子に癒される毎日。これからも元気で長生きしてね。

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 私が住む東京都は連休を前に緊急事態宣言が発出されてしまった。実家へも帰れず、姉や友人にもしばらく会えていない。普段は夫と二人仲良く過ごしているし友人も多くない方だけどさすがに寂しいなと思う。この連休はちょっと料理と掃除をがんばって読書に励むかな。宣言が解除されたら中目黒と下北沢へレコードを買いに行く予定。行きたいピッツェリアやスパニッシュレストランもあるんだ。先の予定に目を向けてやり過ごすしかないですね。

 そういえば最近オンラインでペルシア語の文学レッスンを受けている。その話はまた今度。

 

 最近Twitterで知ったアーティスト。聴いていると穏やかな気持ちになれる。

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