2024年3月20日(水)晴れ 通り雨
1403年のノウルーズ、モバーラクです。
春分の日がノウルーズ(新しい日の意)で新年を迎えるイラン。今回はノウルーズに決まって食べられるハーブのポロウと魚料理です。魚には特に料理名が無く、そのまま「ハーブポロウと魚」と呼ばれています。
ハーブのポロウと魚
材料(2人分)
- バスマティライス 1カップ
- 乾燥ハーブ(ニラ、コリアンダー、イタリアンパセリ、ディル) 1/3カップ フレッシュハーブを使う場合は全て合わせて1カップくらい
- 魚(今回は真タラ) 2、3切れ
- にんにく 1片
- 玉ねぎ 1/4個
- じゃがいも 1/2個
- サフランを入れたお湯*1 大さじ3
- レモン汁 少々
- ターメリック 適量
- 塩、こしょう 適量
- 薄力粉 適量
- 水、湯 適量
工程
①米を洗い、塩を入れた水に30分以上浸水させておく。
②乾燥ハーブを倍以上の水で戻す。フレッシュハーブを使う場合は細かくみじん切りにする。
③玉ねぎはスライスして、にんにくはすりおろす。じゃがいもは皮を剥いてスライスし、水に浸す。
④魚をマリネする。
すりおろしたにんにく、冷めたサフラン湯を大さじ2、レモン汁、塩、こしょうを刷り込み、スライスした玉ねぎを合わせてマリネする。冷蔵庫で30分以上置く。
⑤ハーブを炒める。
熱したフライパンに油をひき、水気を切ったハーブを入れ軽く炒める。ターメリックをティースプーンに1杯ほど加え、さっと炒めたら火を止める。
⑥米を茹でる。
鍋に湯を沸かし、海水と同じくらい、ちょっとしょっぱく感じる程度の塩を入れる。そこに米を入れ、スプーンで数回混ぜる。米が数粒浮いてきたら食べてみて食感がアルデンテぐらいになっていることを確認する(今回は茹で始めから5分半だった)。
⑦米の湯を切る。
米を茹でている鍋を火からおろし、湯切りをする。
⑧ハーブと米を合わせる。
炒めたハーブと茹でた米を合わせてよく混ぜる。
⑨米を蒸す。
新しい鍋、もしくは洗った鍋に、底を覆うくらいの油を入れて強中火にかける。十分に温まったら一度火を止め、水気を拭き取ったじゃがいもを敷き詰め、その上に米を入れる。山型に成形し何箇所かに穴を開ける。残っていサフラン湯を回しかける(色が付くのは一部でOK)。布巾を巻いた蓋を被せ、再度強中火にかけ、鍋底からパチパチという音がしてきたら弱火にし30分*2ほど蒸す。
⑩魚を焼く。
米の蒸し時間が終わりに近づいてきたら魚を焼く。マリネした魚から玉ねぎを取り出し、汁気を捨てる。薄力粉をはたく。多めの油を熱したフライパンでしっかり色づくまで揚げ焼きにする。
⑪完成。
今日のメモ
メモ:魚の種類
赤身以外の淡白な味の魚が使われることが多いです。イランではカスピ海で取れる、マーヒー・セフィード、直訳すると「白い魚」という名の魚がいちばんおいしいと言われることがあります。英語ではCaspian kutum、あるいはCaspian white fishと呼ぶそうです。余談ですが、学生時代の教材にもこの魚が出てきて何度も繰り返し読んだので、一生忘れることはなさそう。日本では手に入らないので真タラの他には鯛、鮭、ニジマスなども良さそうです。トルコのサバサンドを思うと、鯖も案外合うのかなぁと想像します。
メモ:その他の食べ方
以前こちらでも書いたことがあるのですが、きちんとした魚料理を添えずとも、ツナ缶だけでも成り立ちます。イランの家で食べことがあったのはこのタイプ。ぱっと見はさみしいのですが、とても好きな味でわたしにとってはご馳走です。初めてイランを訪れた際に滞在した大学のゲスト寮は食事付きでした。そのときも、使い捨てのフードボックスいっぱいに入れられたハーブのポロウと、1人1缶のツナ缶を渡され、最初こそ戸惑ったものの、何度か食べるうちに滞在を終える頃にはすっかりその味にはまった思い出があります。
口の中をハーブの味でいっぱいにして、ノウルーズの気分を味わいましょう。ではまた。