Mehr 1401

 イラン暦1401年メフル月8日

 

最後に書こうと思いますが、イランで起きていることで、毎日頭の中が騒がしくて気持ちが休まらない日々を送っています。どうして世の中はこうも苦しくて静かに暮らせないのだろうか。

 

今月は雨の日が多かったですね。家でのんびりと過ごす日が多くて、それでも週に一度はピラティスへ通い、帰りに食材を買って一週間の献立を考える、というルーティンを楽しんでいました。

 

食べものの記録だけ

・姉が送ってくれたシャインマスカット

夫の好物なのを覚えていてくれて、突然送られてきた立派な二房。

 

・初台 Hato

ずっと行ってみたかったので。九月のコースは好きな食材も多くてラッキーでした。この日は駅に着くと雨が降っていて、傘を忘れたわたしたちは雨の中を激走したりして、思い出に残りそうな夜でもあった。特に好きだったお皿を。えごまの葉で包んだ茄子は、イラン始め中東地中海で食べられるドルメに見た目が似ていた(あちらは炒めた米や肉を葡萄の葉に包む料理)。デザートは無花果の自家製フルーチェとアイスクリームで、本当に幸せだった。

 

人形町 Parklet

二度目の訪問。途中でおかわりを挟んでのんびり滞在させてもらった。座った席に彼岸花が飾られていて、季節だねぇと思ったり。傾く姿が格好良かった。窓の向こう、公園を闊歩する鳩たちを見て癒された。

オーボンヴュータンのパテが食べられる

 

・ご近所ピザ

ここで食べるパンチェッタとチーズのシンプルなピザが大好き。

 

・自炊

はじめて買ったよつ葉のバターミルクパンケーキミックスがバターの風味豊かでおいしかった。明日の朝もまた作ります。

 

ピラティス帰りに買った帆立貝。

 

Twitterで見かけたトマト入りストロガノフ。サワークリームではなくヨーグルトを使うので酸味が控えめで食べやすい。

 

久しぶりに行ったコストコで買ったお気に入りのソーセージ。商品名は忘れたけど、テキサスNo.1みたいなやつ。ソーセージやサーモンのソテーをとうもろこしご飯と食べるのは、アメリカの義父母のスタイル(と勝手に思っている)。

 

鯛ごはん。炊き込みご飯って無条件に大好きだ〜。

 

ナッツのメープルシロップキャラメリゼをよく作っていた。勝敗は五分五分。シロップはナッツの重量の半分以下にした方がいい。



 

この世でいちばん尊い添い寝






自分の意見を伝えるのが得意ではないし、情報も精査出来ているわけではないのだけど、それでも今イランで起きていることを知ってほしいと思うし、自分自身も忘れないでいたいと思う。日本のメディアの、あるいは日本語での報道も少しずつ増えてきているので、事実はそちらで確認してほしい。

髪を覆うスカーフの被り方が正しくないとして、若い女性が風紀警察に捕らえられ、拘束中に亡くなった。拘束中に暴行を加えられたことが死に繋がったのではないかとして、少しずつ抗議活動が始まった。最初はぽつぽつとTwitterInstagramで彼女の顔写真と入院中の痛ましい姿が流れてきたのを覚えている。きっかけはイスラームの教義に基づく法律によるものだったけれど、この抗議の焦点は、もはや信仰に関することではないと思っている。抗議に参加する女性たちは、自分の身体をどう扱うか自分自身で選択出来る自由と権利を求めている。デモがエスカレートする中で、治安部隊との衝突で命を落とす人の数もどんどん重なっている。

デモ中に亡くなった若者の葬祭中に、泣きながら髪の毛を切り落とし棺に乗せる妹。

若者たちと同じように、ヘジャーブを外し「独裁者に死を」とシュプレヒコールを上げる高齢の女性。

治安部隊に向かって催涙ガスを投げつける男性。

髪をさらけ出し、丈の短い服を来て、チャイハーネで朝食を取る二人組の女性。

治安部隊に追われたデモ参加者を匿ったことを涙ながらに話す女性。

毎日、闘う市民の勇敢な姿を見ては心が震え、痛めつけられる姿を見ては頭痛に襲われている。デモが暴動とならないことを祈りながらも、今、人々にそれ以外に手段が与えられているのかと考え込んでしまう。女性だけでなく、一人一人が自由を手にしてほしい。平和的な対話が可能になってほしい。いったい自分に何が出来るのだろうか。

信仰も、デモへのスタンスや参加意欲も、政治思想も、当たり前だけど人によって異なっている。ニュースで見えるだけが全てではない、それを念頭に置いた上で、遠く離れた一国の様子をどうか知ってもらえたら。