いくつかの好きなブログがある。食べたものや買い物、映画や本の感想が書かれている。
最近Twitterを休んでいるのでわたしもブログに日記を残そうと思った。
ただ日々を過ごしたり考えたりした記録です。
食べたもの
今月はあまりちゃんとした外食はしなかった。
かといって自炊も捗ったわけでもなくぼんやりと食事する日が多かった。
・巴裡 小川軒のレーズンサンド
レーズンサンドも有名だけどフロランタンとふくろうのサブレもおいしい。
新橋で働いていた頃、仕事終わりにひとりでサロン・ド・テでお茶をするのが好きだった。
食器棚の奥にしまった缶の中から二年前にイランでもらった紅茶の茶葉を見つけた。
茶葉は鮮度が大事だしどうしようか迷ったけど、保存袋を開けたらまだ良い薫りがしたから飲むことにした。
イラン北部の茶葉の生産地の近くに友人一家が別荘を持っていて、そこを訪ねた時にお土産としてもらったもの。
親戚や友人が来るたびにお土産に渡しているの、と言って友人の母が見せてくれたのは一斗缶くらいの大きさの缶に厳重にしまわれた茶葉の山だった。
別荘の庭には果樹や花木がたくさん植えられていた。お茶の時間にはオレンジや薔薇の花と一緒に煮出したものを淹れてくれた。お茶請けには生のピスタチオ。
二年前のことを思い出しながら飲んでいる。
買ったもの
・ピンクの鞄と黒のコンバットブーツ
ピンクのショルダーバッグはこのブランドのファーストコレクションのものらしい。
海外のメルカリみたいなサイトで見つけた。
手持ちの服はほとんどが白黒ネイビーなのでピンクを挿し色にしたいと思って探していたのでうれしい。
黒のコンバットブーツはずっと欲しかったもの。予算をかなり超えたけどMatchesでクーポンが出た時に思い切って買った。スッとした後ろ姿がかっこいい。
鞄も靴もスムースレザーでつるっとした質感のものに弱い。さっそくクリームを塗って防水スプレーを振った。
・GLCOの眼鏡
歳を重ねるごとにやめたいと思っていることのリストがある。
20代はイヤホンをしたまま歩くこと。
30代はコンタクトレンズ。
だから最近メガネで過ごすことが多い。メガネが似合わない顔なので、なるべく顔に馴染むデザインを探してヌードカラーのクリア眼鏡を買った。
普段一番よくかけているのはJINSで買ったグレーのクリアのやつ。
もう一本欲しいのはピンクのクリアで太縁の眼鏡。kearnyかEYEVAN 7285が候補。
そのほか
・シャジャリアーンと海
10月8日にモハンマド・レザー・シャジャリアーンが亡くなった。
大好きな歌手だった。数年前に癌の闘病のため活動を休止すると発表してから表舞台に姿を見せなくなっていた。
それ以降、SNSでその名前を見かけるたびに訃報ではないことを確認しては安心していた。
その日はInstagramのTLも彼の死を悼む投稿ばかりだったけど、それぞれが好きな曲をアップしていたりもして、どれを聴いてもシャジャリアーンの歌声は強く美しかった。
『愛は知っている…』のタイトルが付いたカセットテープは留学中に買った。
エスファハーンだったか、ネイシャープールだったか。
タイトルにもなっているA面の曲はハーフェズの詩を歌ったものだった。
عاقلان نقطه پرگار وجودند ولی
عشق داند که در این دایره سرگردانند
海沿いの町で育ったからか、たまに無性に海へ行きたくなる。
前日に適当に行き先を決めて一人で海へ向かった。なるべく人が少なさそうなところ、日帰りできるギリギリの遠さ。
電車の中から見えた途中の海では、ツーリンググループやサーファーたちの姿が見えてどうしようかと思ったけど、たどり着いた海岸には親子が一組いるだけだった。
持ってきたパンを食べた後は町の中を少しだけ歩いて回り、あとは塀に腰掛けてシャジャリアーンのテープを繰り返し聞いていた。
帰りに電車に乗る前、波打ち際に立って波をずっと見ていた。実家のことや、能登で過ごした夏休みについて考えていた。従兄と砂浜に座っていた日のことを思い出していた。
砂浜から道へ上がったところでパトカーとすれ違った。
街中へ行くと一人でいることが辛くなる時がある。だけど、人気のないところで一人で佇んでいると不審に思われそうな気がしてそれも窮屈である。
何か、は分からないけど何かが破裂する前に海へ行きたくなる。
音楽つながりで、先日Instagramを開いた時にゴルシフテ・ファラハーニーとティグラン・ハマシヤンが一緒に歌っている動画が目に入った。
ゴルシフテはイラン出身の俳優・歌手、ティグランはアルメニア出身のジャズミュージシャン。二人とも繊細で悲しげな歌い方をする。どちらも昔から大好きなのでコラボレーションしていることに驚いた。
戦争で犠牲になった人へ捧げるオンラインコンサートを開催するという案内だった。見逃してしまい残念。
・本と映画
先月から引き続き何冊かの本をパラパラ読んでいる。
本を読むのが遅い。小説じゃないと一気に読めない。新書とかを読んでいて、途中で「本当にそうか〜?」とつっこみたくなると余計に遅くなる。だけど一度読み始めると読み終わるまで謎のプレッシャーがある。読みきらなくても大丈夫、を来年の目標にしたい。
本棚を置いている自室にもうすぐソファ兼ベッドを導入する。そこに転がってペルシア語の小説とか詩集を読みたいな。想像は捗る。
アップリンク吉祥寺で日イ合作の映画『ホテルニュームーン』を見た。
好きなタイプの映画ではなかったけど、イランの「普通の」若者の様子がわずかにせよ映し出されたのは良かったのではないかと思った。
合作なので日本の家の中でもイラン人女性の服装がアレだったのだけど、特徴的な色とデザインで印象に残った。エンドロールで衣装提供がヨーガンレールだと分かり「っぽいな」と思った。
ところで、مهمانخانهは「ホテル」なのだろうか?でも「ゲストハウス」とかにすると格好つかないもんね…。
イラン側のタイトルがمهمانخانهだと知っていたらストーリーの見方が少し変わったかもしれない。
・猫と夫
ぺっちゃんは最近たまに犬のような鳴き方をする。ワンワンに近いやつ。
夫は相変わらずピュアである。「パタパタママ」という歌を突然歌い出したり、プリンが傾いて崩れたことを嘆いたりしていた。
特段イベントのなかったひと月だと思ったけど書き出すと長くてびっくりする。
いつまで続くだろうか。
思い出話なら永遠にできる自信がある。それもそのうち書こうかね。
朝焼けも夕焼けも月も見逃したくないし雨の音も波の音も聴いていたい。
با عبور دو کبوتر در باد
چون دو تابوت سپید
فروغ فرخزاد، در غروبی ابدی
風の中を二羽の鳩が通る
まるで二基の白い柩のような
フォルーグ・ファッロフザード 「永遠の日没に」