Esfand 1400

 イラン暦1400年エスファンド月9日

 

スターチスってピンクや紫の色が濃い部分は花弁ではなく萼なんですって。ペルシア語でکاسه、直訳すると椀、確かにね。色鮮やかなたくさんの萼の中から、小さな白い花弁が少しだけ、遠慮がちに現れては咲いて消えていった。

f:id:meigu:20220228201941j:plain

 

・ゆるやかな二拠点生活

2022年の目標のひとつがゆるやかな二拠点生活。東京と、もう一つの拠点は地元。両親のためというよりは自分の精神の安定のため。自宅に残って家事やぺっちゃんの世話を一人でこなし、背中を押してくれる夫には感謝しかない。移動日を除くと一日しか休日はなかったけれど、雪の降る中、兼六園内を散策して梅を見てきた。唯一咲いていた寒紅梅、その紅さは今にも雪に移ってしまいそう。

f:id:meigu:20220228202014j:plain

f:id:meigu:20220228202033j:plain

 

帰路に着く前、やっぱり海を見に行く。風がわたしたちを連れ去ってしまえばいい。

f:id:meigu:20220228202048j:plain

 

遠く山々を見やるとき、自分の背中側には海があるのだという、その感覚がなければ息が詰まってしまうだろうと思う。地元でしか感じられない感覚だ。

f:id:meigu:20220228202106j:plain

 

小伝馬町 イル・タンブレッロ

色々な選択の積み重ねにセンスを感じる人や店というのがある。トイレの扉の上に屹立するキリストのオブジェを見ながらそんなことを考えていた。ここだけの話、オーナーの綴るブログが面白い。文章に独特のリズムとイメージがある。

f:id:meigu:20220228202207j:plain

f:id:meigu:20220228202228j:plain

 

・箱いっぱいのパン通販

久しぶりに注文をした。手書きの手紙には、リピートありがとうございます、とさりげなく丁寧な文が添えられている。バレンタイン限定のパンデピスは温めてバターを乗せて食べたら、それはそれはおいしかった。これはパン屋で買える味ではないのではとすら思った。あと初めて食べたクロワッサンがわたし史上いちばん好みの味だった。いつかお店にも直接訪ねてみたい。

f:id:meigu:20220228202125j:plain

f:id:meigu:20220228202146j:plain

 

・芝寿しの笹寿し

金沢駅へ行くと、新幹線に乗る前についつい買ってしまう。見よ、この段々と小さくなる、繰り返される鮭と鯛の字を…。笹に巻かれた食べ物、というか草の風味がする食べ物が大好きです。笹寿司ちまき、草餅、ハーブティー

f:id:meigu:20220228202258j:plain

 

・慰みの甘味、きのね堂のクッキー

在宅って時にいやなものね、一日家から出ないし、おめかしもしないし、食事も雑になっちゃうし。せめてきちんとお茶を淹れて、きれいな皿に好きなクッキーを並べて休憩しようじゃないの、と思って実践した日の。

f:id:meigu:20220228202316j:plain

 

・さよなら岩波ホールグルジア映画『懺悔』

グルジア映画を観に行くぞと意気込んでいたら、年内に閉館になるという知らせが飛び込んできた。その知らせを受けて泣いたり憂いたりできるほど通っていたわけではないけれど、こういった場所がなくなって、味気ないものばかりがのさばる世の中が本当に悲しい。

この日はテンギズ・アブラゼの『懺悔』を観に行った。三部作の残り二作を見る元気はなかった…。チケットを買った後に、久しぶりにボンディでカレーを食べることにした。雪こそ降らないものの一段と冷える日で、冷たい雨の中、列に並んで待った。そんなことも思い出になるかもしれない。

公開中のこれまたグルジア映画、『金の糸』を観に行きたいなと思っている。それが岩波ホールを訪れる最後の機会になるんだろうな。

f:id:meigu:20220228202407j:plain

 

 

ここ最近、ずっと魂に関する文章を読んでいたら、ぺっちゃんの尻尾が人魂に見えてきた。

f:id:meigu:20220228202448j:plain

f:id:meigu:20220228202550j:plain

パン通販の空き箱に愛猫が詰まる様。

f:id:meigu:20220228202611j:plain

 

先月に引き続きご自愛している。諸々の活動は控えめに、省エネで動いている。周りで支えてくれる人のためにも健康になりたいものだ。不調について詳らかにしたことはなかったけれど、似た悩みを抱えているかもしれない人のために書いてみてもいいのかもしれない。

今年はなんだか珍しく春の到来がうれしい。今週末は少し早めの記念日祝い、来週末は母校へ。そしてノウルーズがやってくる。祝祭の用意、しましょうか。