Mordad 1402

 イラン暦1402年モルダード月15日

 

日が暮れても付き纏うような暑さにうなだれる日々です。この週末から短い夏休みで出かけるので、それだけを心の頼りに過ごしています。

 

出かけた記録

・絨毯のクリーニング

2018年にイランで買った絨毯を初めてクリーニングに出した。返ってきたのは色が鮮やかに蘇りふかふかになった絨毯。依頼したお店の方がとても感じが良くて、絨毯談義を色々したり、お話が楽しかった。五年から十年にいちどクリーニングすればいいとのことで、他のキリムたちもまた依頼しに行こうと思う。

イランのおじいちゃんおばあちゃんの家では、馴染みの業者がクリーニング前の下見に来ているのに出くわしたことがある。家のほとんど全てを覆うだけの大きな絨毯が何枚もあるわけだから、そりゃ大掛かりな作業になる。

ところで無印良品に水辺で絨毯を洗うひとたちの大きな写真が貼ってあるの知っていますか。あれはイランの年末の絨毯洗いの風景ですよ。*1

持ち込んだ日はクスクスを、受け取りに行った日は冷やし中華をそれぞれ近所のお店で食べた。

絨毯もクスクスも冷やし中華の下のテーブルも赤い


・世田谷ドライブ

絨毯屋さんのついでに、夫とともに気になっていた弦巻のAutumnでお茶をした。ローカルに根ざしたお店という感じでとても居心地がよく、常連さん達がずっとおしゃべりに花を咲かせていたのが印象的だった。ぶどうジュースを注文すると、ソーダ割の選択肢を与えてもらいそれを選んだら爽やかで夏にぴったりの味だった。

内装もすごく素敵なのだけど、特にトイレが贅沢なほど凝っていたので、これから行かれる方にはトイレに入ることもお勧めしたいです。

この日は用賀のふわもち邸にも寄ってドーナツを買って帰り、満足なドライブでした。

 

マティス展と焼鳥と抹茶

有休を取った日に、平日こそと思い東京都美術館マティス展を観に行った。上野の森の中をあまり歩いたことがなく、猛暑日だったけど木陰の下を歩くのは気持ちが良かった。広々とした敷地に美術館や博物館、動物園が点在している土地も良い。

昼は京橋の伊勢廣へ、観賞後はみはし本店でアイス抹茶を飲んだ。乳製品も糖分も入っていないシンプルな抹茶にかなりテンションが上がった(あまい飲み物が得意ではないので)。夫はかき氷が好きなのだけど、わたしは最近の大きなのは食べきれないので、この日はちょうどよいバランスだったと言える。

 

・渋谷 Viron

どういう理由だったか、わたし好みの食事をしに行こう、みたいな話になって、予約して渋谷のVironへ行った。お昼だったけどランチメニューは選ばず、アラカルトで色々頼んだのが楽しくおいしかった。隣のテーブルでは親戚一同といったふうの大人数で、そのうちのフランス通ぽい男性が仕切ってメニューを選んでいたが、人数が多いと料理よりも会話に重きが置かれるもので、こういうのって悲しくもあるがあるあるだよねと横から思うなどした(口下手で料理に重きを置きがちな人間ことわたし)。

 

・目白 ビーフシチューとケーキ

こちらも久しぶりに行きたいねという話になって訪ねた目白の旬香亭。帰りにはエーグルドゥースへ寄ってひとり二つずつケーキを選んだ。

冷房がキンキンに効いた店内で食べる熱々のビーフシチューはうまい

 

・散歩

インターネットで知り合った散歩友達と暑い中だったけど遊びに行った。夏が苦手なわたし、暑さのあまりお見苦しい姿を見せないかやや不安があったけど、お茶を挟んだり古本屋へ寄ったり、日陰で風を浴びたりしながらで、そこまで暑さが気にならない穏やかな時間だった。読書会のような、秘密の結社会のような、薄暗い中で会話をする店主とお客さんたちが印象的な古本屋。等々力渓谷では見たことのない大きさのアメンボを観察、強めの風で枝が揺れるのを会話を休んで眺め、お茶を飲みながら本屋や自然スポットの情報を共有してもらった。

涼しくなったらさらに散歩を通して仲を深めたいです。

 

青山 DOWN THE STAIRS パプリカのスパイシースープ

夏に食べる冷たいスープが大好き。

 

 

自炊などの記録

・パスタ

先月はじめて訪ねたイタリア食材屋さんで、勧められて購入したパスタ。カラマラータという名前でイカみたいだなと思っていたら、そのまんまイカ風という意味らしかった(カラマリという単語はアメリカのイタリアンファミリーレストランで知った)。パッケリよりも少し短めで、思ったより使いやすいかもしれない。

これを使い、海老のトマトクリームとプッタネスカを作った。

 

・夏はこんなのでいいんだよ

夏は食欲が落ちがち、特に夕飯に温かいものを食べる気力がない日が多い。去年や一昨年はスイカを夕飯がわりにしていたし、今年もこんなのでいいよねぇと夫と話しながら食べている。

ハムとクラッカーとチーズ。ハムはカルディで買える、塩だけを使ったフランス産のものが安くておいしい。

夫が不在のときに作る、わたしだけが好きなサラダ。左はクスクス、右はブルグルで、キュウリ、トマト、玉ねぎ、パプリカ、パセリを細かく刻んでオリーブオイルと塩だけで調味。

 

・その他

ヤタロウズグラノーラ風のものを自作。おやつとして食べた。

今年も実家から送ってもらった金沢スイカ。スイカやメロンの皮に近い味が薄い部分が好き。

氷見うどんを使ったヤンニョムピビン麺と焼きおにぎり。わたしが作る焼きおにぎりはうまい。

 

 

買ったもの

夏のセールの連絡をもらい服をいくつか。

・ADISHのTシャツ

イスラエルパレスチナで、そのボーダーを超えてものづくりをしているブランド。刺繍が入っていてクラフト感がかわいい。夫と共有で着る。

 

・LEMAIREのブラウス

良いなと思っていたのがセールにかかっていたので。ボタンを留める箇所やリボンの結ぶ組み合わせも自由な面白い一着。リボンが焼きかまぼこ(ってお菓子があるのご存知ですか)ぽくて、見るたび懐かしい気持ちになる。

 

 

読んだもの

泉鏡花草迷宮

先月に続き、読んだことのある作品を再読。夏だから涼しい気分になりたくて、ちょっと怖いこちらを選んだ。

あの世の存在たる生き物が登場して「月が雲に隠れて暗くなっても驚かないのに行燈の火が消えるのには怯えて、空に星が飛ぶのは不思議に思わないのに地に瓜が転がりまわるのを怖がるよね」と言うような一節があり、今月ベランダから月を見るたびにそれを思い出して、確かにそうだよなぁと考えたりした。

芋茎の葉に顔を隠して手毬唄を歌いながら、列をなして歩いて行く様子は、想像するとなんだかぞっとする一方で、不思議と懐かしいような気持ちにもなる。

 

 

 

しばらく営業をお休みされていたから、久しぶりの訪問に感動した定例ティー

 

 

ぺっちゃん、今月は年一回のワクチン接種をがんばりました。病院に着くと、ケージの中で「わたしは関係ありません」みたいな顔でスンっとしていておもしろかわいかった。診察台に乗ると、目が合うたびに助けを求めるようなかよわい声で鳴いていたのもまたいとおし。

 

 

もう少しで誕生日、今年も同じケーキを食べられるといいな。どこかの海ですれちがっていたらどうぞよろしく、安全に夏を過ごしましょう。Have a safe summer.